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zoom RSS GEASS小説 『どこでもいっしょ』 〜春の章〜

<<   作成日時 : 2010/05/27 11:11   >>

なるほど(納得、参考になった、ヘー) ブログ気持玉 2 / トラックバック 0 / コメント 0

『どこでもいっしょ』 〜春の章〜

ルルーシュがスザクの家にやってきてから半年ほどが過ぎた。
スザクは3年生に進級し、ルルーシュは少しだけ身長が伸びた。
今日は月に一度のルルーシュの定期健診の日。
二人はロイドの研究所へと訪れていた----。

ルルーシュを保護した翌日、早速スザクはジノに連絡をとっていた。
ジノはヴァインベルグ家の嫡子で、ヴァインベルグ家といえば昔から半獣保護活動に力を入れている上流貴族だった。
わけを話すとジノはすぐに半獣の診察も出来る医者を手配してくれたのだが、まさかそれがロイドだったとはこの時思いもしなかった。
ロイドはスザクの通うアッシュフォード学園に隣接する大学の教授である。
専門は一応科学らしいのだが、軍に通じていたり医師免許を持っていたり・・・と、肩書きが多種多様で実際のところ本当の専門は何なのかよく分からない。
普段から大学で寝泊りをしていて、そのプライベートは一切不明。
そのうえ風変わりな性格からか、いまいち謎な人物として大学では有名だった。
「それにしてもロイド先生が半獣の診察もしてるなんて知らなかったです」
「まぁ、こっちの方はボクの趣味みたいなもんだからねぇ〜♪」
「趣味・・・ですか(^^;)」
スザクがロイドに初めて出会ったのはアッシュフォード学園に入学してすぐの頃。
白衣を着た見知らぬ人物が体育の時間を見学していた事があった。
その日の放課後、学園側から呼び出されたスザクはそこでロイドと初対面する事となる。
 『うん、実に良いパーツだv ねェ君、うちの研究所で働いてみないかい♪』
これがロイドの第一声であった。
どうやらスザクの高い運動能力値は大学の中でも有名らしく、ぜひともそのデータをとらせて欲しいとの事だった。
ちょうどバイトを探していたスザクは、社会貢献に役立つ研究というこもあって、その話しを引き受ける事にした。
こうしてロイドとは約2年ほどのつき合いになるわけなのだが、いまだにその思考回路がどうなっているのか分からず困惑する事が多々あるのが現状だ。
「さて、口を大きく開けてもらえるかなァ〜v」
気が進まないという表情ながらも、ルルーシュはおとなしく言う事をきいて口を開ける。
今でこそこんな風に静かに受診できているが、当初は酷く怯えて研究所内を逃げ回って大変だった。
ロイド曰く、半獣という生物は元々人の手によって創られたものなので、定期的な健診が必要なのだそうだ。
ましてルルーシュは、自然に繁殖し産まれたものなのか、非合法で最近創られたものなのか定かではない。
成長のスピードや寿命、繁殖機能・・・そういった生態はまだまだ謎な部分が多いので、こうした定期健診は必要不可欠なのだ。
こうしてロイドの診察にもようやく慣れたルルーシュは、今では『まな板の上の鯉』のように大人しい。
聴診器を外してロイドはルルーシュの頭をひと撫でした。
「うん、健康状態は良好だよぉ♪んじゃ最後は予防接種だねvセシル君〜」
「ハぁ〜イvvv」
呼ばれて助手のセシルが持ってきたのは特大注射器。
「!!」
ルルーシュの顔がみるみる青ざめていく。
話しが違うゾと言わんばかりにスザクを睨めば、サッと視線を逸らされてしまった。
「恐がらなくても大丈夫よvちょっとお尻にチクッとするだけだからvvv」
そういってニッコリ微笑むセシルは、慣れた手つきでガッチリとルルーシュを押さえ込んだ。
あのセシルに拘束されたら逃げる事はもうできない。
幾度となく被害にあっているロイド(←自業自得といえなくもないが・・・)を見てきたスザクは、いつものようにそっと心の中で手を合わせる事しかできなかった。
「おぉぉぉ俺を裏切ったなぁ!スザぁークっッ!!」
注射器を手にしたロイドのメガネがキラリと光る。
そしてルルーシュの断末魔の叫びだけが研究所に響き渡たるのであった----。

空は見事なまでに青空が広がり、心地よい風がそよいでいる。
そんな清々しい春の陽気とは裏腹に、スザクに抱っこされたルルーシュはいまだ泣きべそをかいていた。
「ゴメン、ゴメン」
そういって背中を優しく撫でながら宥めるスザクの頬には引っ掻き傷が数箇所。
「スザクは俺のこと騙したんだ!この裏切り者ッ!人非人!!」
「そんな人非人って・・・人聞きの悪い(^^;)また変な言葉テレビで覚えたな」
ルルーシュはとても賢い半獣で、この半年でどんどん言葉を覚えていった。
スザクが教えてやる事もあったが、学校やバイトで家を空けている事が多いので、もっぱら留守番中に本やテレビなどでひとりで覚えていったようだった。
ただ言葉を覚えてくれるのはいいのだが、『コードギザッシュ 反逆のゼロ仮面』というアニメ番組にただいま御執心で、そのせいか喋り方が主人公の『ゼロ』に似てきているのがスザクのもっか悩みの種である。
「機嫌なおしてよ。その代わり、今日はいいトコに連れて行ってあげるからさ」
鼻をすすりながら、探るようにじっとスザクを見据える。
「いいトコ・・・・?」
ふとルルーシュはある人物思い浮かべ、目を輝かせはじめた。
「今日はジノの屋敷に行くんだよ。新しい半獣を保護したから、ルルーシュ連れて遊びに来いってさ」
期待していた答えと違い、「なんだ・・」と呟くとその耳はしょんぼりと垂れ下がった。
分かりやすいその様子に、思わずスザクはクスっと笑う。
「ナナリーもいるよv」
その言葉を聞いた途端にルルーシュの顔がパッと明るくなった。
「・・・な、なら許してやる///」
どうやら騙して注射を受けさせた事は、これでチャラにしてもらえたようだ。
警戒心が強いルルーシュは、少し前までスザク以外の誰にも懐かなかった。
よく顔をあわせる生徒会メンバーですら、必ずスザクが傍についててやらないと不安そうな顔をしたものだった。
それが不思議とナナリーだけは例外で、初対面であった時でも彼女の膝にピョンと飛び乗ったかと思うと、嬉しそうに喉をならしながらそのまま眠ってしまうほどであった。
ナナリーは足が悪く常に車椅子に座っている状態だったので、いつしか彼女の膝の上がルルーシュの一番のお気に入りの場所となっていた。
ひょっとしたらルルーシュは以前誰かに飼われていた飼い猫なのかもしれない----。
ナナリーの膝の上で安らかに眠っているルルーシュを見ながら、ふとスザクはそんな風に思うことがあった。

しばらく歩いていると豪華なつくりの門が見えてくる。
「相変わらず大きな屋敷・・・だよなぁ」
庶民のスザクにとって、広大な敷地にあるヴァインベルグ家は少々気後れしてしまう場所だ。
けれどジノはそんな事お構いなしにスザクを度々屋敷へと誘った。
 『スザクの事が好きだから、もっとよく知りたいんだ』
それは一応告白のつもりだったのだが、相手が天然ゆえに全くもって二人の間は進展をみせず、いつまでも親友の枠をはみ出さない事をジノは日々嘆いていた。
メイドに屋敷を案内されたスザクは、いつもの客間ではなく中庭に通された。
中庭・・・といっても、その面積はスザクが住むアパートが2〜3個すっぽり収まってしまうほど大きい。
そこにはジノの祖国であるブリタニアから取り寄せたらしい色とりどりの木や花々で埋め尽くされていた。
生徒会メンバーが集まる時は、たいていこの場所でお茶を楽しむのだ。
「いらっしゃい、スザク」
中庭で出迎えたひとりの少女。
けれどその頭にはルルーシュと同じネコの耳がついている----半獣の少女だ。
「やぁアーニャ。皆はもう来てるの?」
「うん、皆お待ちかね・・・・」
「どうかした?」
「ルルーシュ、今日はなんだかご機嫌・・?でもスザクは傷だらけ・・・」
そういうと面白いものでも見たかのように、二人をデジカメに収めた。
突然にフラッシュをたかれた挙句、無表情なまま自分の頭を撫でてくるアーニャにルルーシュは困惑気味だ。
スザクは傷だらけの頬をさすりながら苦笑した。
アーニャはルルーシュ同様ネコ族の半獣で、美しい白い毛並みの耳と尻尾を持っていた。
普段から口数が少なく、表情があまりない。
それでも保護されてきたばかりの頃より、だいぶ良くなったとジノは言っていた。
ジノがまだ幼い頃にヴァインベルグ家に引き取られ、二人は兄妹同然で育ってきたらしい。
ジノから貰ったデジカメが宝物で興味のあるものをよく撮っている。
ルルーシュとは何度か面識もありお互い仲は良さそうのだが、今のように突然フラッシュをたかれるのがルルーシュは少し苦手そうだった。

中庭の中央では、既に集まった皆がテーブルを囲んでお茶を楽しんでいる。
「お〜い、スザク!」
ジノが嬉しそうに手を振った。
「ゴメン。少し遅れちゃった」
「どうしたスザク、顔に引っ掻き傷なんかつくっちゃって」
その言葉に皆が一斉にスザクの顔を覗き込む。
「ん、ちょっとね・・・(^^;)」
軽く挨拶をすませつつ席につくと、隣に座っていたシャーリーが嬉しそうに手を伸ばしてきた。
「ルル〜vvv」
「ニャぁ」
今ではすっかり皆に打ち解けたルルーシュも、挨拶とばかりに伸ばされたシャーリーの手に軽く頬ずりしてやる。
ルルーシュのことが大好きなシャーリーにとっては、何気ないこんな仕草ひとつでもとても嬉しい事のようだった。
確かに普段から愛想があまり良いとはいえないルルーシュが、時折こうやってみせる仕草は思わず抱きしめたくなるぐらい可愛いかった。
元々オスにしておくのはもったいないぐらいの器量良しだから、というのは決して飼い主の欲目ばかりではないはずだとスザクは思っていた。
するとニーナに車椅子を押されながらナナリーがやってきた。
ナナリーの頭上には可愛らしい花冠がちょこんと乗っている。
どうやらさっきまで二人で花摘みでもして遊んでいたらしい。
「こんにちは、スザクさん、ルルーシュv」
その声にルルーシュの小さな黒い耳はピンと反応する。
「ナナリー!」
そう叫ぶとスザクの膝からピョンと飛び降り、ナナリーの方にいってしまった。
「あ〜ん、行っちゃった。いいなぁ〜ナナちゃん」
羨ましそうに指をくわえて見つめるシャーリーの気持ちをスザクもなんとなく理解できていた。
自分にしか懐かないと思っていたルルーシュに、こうもすんなりと受け入れられる人が他にいるなんて・・・。
しかしこの時のスザクは、それを飼い主であるが故の心理なのだとばかり思っていた。
そんな二人の胸中は露知らず、いつものようにルルーシュはナナリーに抱きついて嬉しそうに喉を鳴らし始めた。
するとナナリーの胸ポケットで何かがゴソゴソと動きだす。
「!?」
驚いてルルーシュが身を引くと、ポケットからヒョッコリ顔を出したのは、手のひらサイズの小さなネズミ・・・否、それはネズミの半獣だった。
差し出されたナナリーの手によじ登ると、愛らしく小首をかしげる。
「この子はロロっていうの。ネズミ族の子なんですよvウフフ、仲良くしてあげてくださいね♪」
ナナリーはそういって両手にのせた小さな半獣の子の頬にチュっと優しくキスをした。
「!!」
その光景にルルーシュはあたかも雷に打たれたかのように立ち尽くす。
(な、なんだこれはッ!俺のッ・・・俺のナナリーがァァァッ・・!!)
次第に胸のうちに黒いモヤモヤとしたものがこみ上げてくる。
それはルルーシュがはじめて経験する感情・・・『ジェラシー』
大切なナナリーをこの小さな半獣にとられた事でみるみる嫉妬の炎が燃えはじめたのだ。
一方ロロの方もルルーシュを一目見るなりこれまた同じように雷に打たれたかのような衝撃をうけていた。
しかしながらその衝撃はルルーシュのものとは正反対のようで・・・。
「ロロ、どうかしました?」
すでにロロの耳にナナリーの声は届かない。
頬を染め、ただひたすら恋焦がれるような目でルルーシュを見つめるばかりだ。
まさにひと目惚れとはこのことだ。
意を決したロロは彼女の手のひらから飛び降りると、その膝の上を渡ってルルーシュにすがりつこうとした。
が、それをルルーシュは無表情に手で押しつぶす。
無論、容赦など全くない。
ルルーシュの手の下でロロはジタバタと苦しそうにもがいていた。
「ああっ!だ、ダメだよ、ルルーシュ〜〜!」
この様子に気づいたスザクが慌ててロロを助け出したのだが、それでもロロはめげずに再びルルーシュの元にすりよった。
「おぉ〜!」
なんとけなげな子なんだろう、集まってきた皆はそんなロロに拍手を送った。
が、ルルーシュはそんな事は一向にお構いなしに非情にも手で押しつぶし、ロロは再びその手の下でジタバタともがいている。
「まぁ、二人ともすっかり仲良しさんですねvvv」
そういってナナリーは嬉しそうに笑うが、皆は心の中で『それは違う』と突っ込みをいれずにはいられなかった。
ロロは何度も振り払おうとしてもすがってくる。
それに少し飽きたらしいルルーシュは、今度はロロを地面に落とすと尻尾を使い左右に転がし始めた。
「ジノが言っていた保護した半獣って、この子のことなの?」
オモチャ・・・というよりまるでボロ雑巾のような扱いに、見かねたスザクはロロをつまみあげるとそっとナナリーの肩にのせてやった。
そして不満そうな顔をするルルーシュを抱き上げると窘めるように頭を撫でた。
ジノはその様子を見ながら口を開く。
「いや、それはナナリーの方で保護したんだ。繁殖して増えてしまったネズミの半獣は実験体の対象となってただろ?どうやらこれはその時逃げ出した奴みたいなんだ」
「私の家の前で行き倒れていたんです。これもなにかの縁だと思って・・・。ペットに変更の申請をジノさんにしてもらって私が飼うことにしたんです」
「それじゃジノが保護した半獣っていうのは・・?」
「スザクが来るまでここで待ってろって言っておいたんだけどなぁ。アイツすぐどこか行っちゃうんだ」
キョロキョロとあたりを見渡すがそれらしいものは何処にもいない。
ジノはため息をつくと、ふと何か思いついたよう悪戯っ子のような笑みを浮かべた。
「お〜い、バニーちゃ〜ん♪」
ジノがそう呼んだ時だった。
タッ、タッ、タッ、タッ・・・。
どこからともなく駆けて来る足音が近づいたかと思うと、ザザっと茂みから飛び出してきた人影があった。
「その名で私を呼ぶなーーーーッ!!」
そう叫ぶやいなやジノの背中に鋭い飛び蹴りをくらわすと、まるで体操選手かなにかのようにスタっと美しい着地をみせたのだった。
あまりの突然の出来事で、スザクとルルーシュは唖然とした表情でその光景を見つめた。
「で、何か用?」
そういって凛とした面持ちでジノを睨みつけているのは、頭上に白くて長い耳を持った少女だった。
「アイタタタ・・・酷いじゃないか。スザクが来たから紹介するよ。ほら・・・」
少女が紅い髪を翻すと頭上の長い耳も一緒に揺れた。
困惑気味のスザク達にに少女はバツが悪そうに笑ってみせる。
「ハハハ・・・え〜っと、どうも・・。こんにちはァ〜・・・」
すると蹴られた所をさすりながらジノが説明した。
「彼女が最近保護したっていう半獣だ。見ての通りウサギ族だ」
「ああ、どうりで!さっきのキックは凄かったよね♪」
目を輝かせ無邪気に賞賛するスザクにカレンはニコッと笑うと握手を求めた。
「カレンよ。宜しくね」
「僕は枢木スザク。宜しくね♪えっと、この子は・・・」
ルルーシュを紹介しようとした時だった。
「・・・凶暴ウサギ」
よせばいいのにボソリと余計な一言をルルーシュが呟いた。
ウサギの長い耳はどんな小さな呟きも聞き漏らさない。
途端にカレンの額にピキッと青筋がたつ。
ムッとした表情でルルーシュに顔を近づけると、そのぷっくりした頬っぺたを思い切り抓ってやった。
「イデデデッ・・!な、何をする!」
慌ててルルーシュはスザクの背後に逃げ隠れた。
「な〜に〜?この生意気なチビ猫はッ!?」
「誰がチビだッ!!」
スザクの背後からルルーシュが怒号をとばす。
「この子はルルーシュ。僕が保護した半獣の猫の子だよ。今一緒に暮らしてるんだ」
「ふ〜ん。ねぇスザク、躾は小さいうちからちゃんとしといた方がいいわよォ?」
カレンの視線の先が、ルルーシュに引っ掻かれた所に注がれるのに気がついたスザクは「そうだね」と苦笑した。
するとルルーシュも負けじと言い返す。
「お前に言われる筋合いはない!野蛮なウサギ女めッ!」
「何ですって〜!」
ルルーシュとカレンに板ばさみにされたスザクは慌てて止めに入る。
「わッ・・・ちょッ、も〜!二人ともケンカはやめなよ〜」
その光景にナナリーは嬉しそうに微笑んだ。
「ウフフvvvみんな本当に仲良しさんですね♪」
皆は心の中で『それは違う』とやっぱり突っ込みをいれずにはいられなかった。
そしてそんな賑わいの中、アーニャはひとり遠まきにデジカメのシャッターをきって呟くのだった。
「・・・スザクは苦労人。」

こうして香りの良いお茶と共に時間はゆったりと流れていった。
シャーリー、ニーナ、カレンの三人は少し離れたところで花摘みを楽しみだし、残りのメンバーはテーブルを囲んで寛いでいる。
ジノの話しによれば、カレンはマフィア同士の闇取引きの商品になっていたらしい。
ウサギ族は本来穏やかな性格の者が多く従順させやすいという事もあり、よく奴隷として裏で取引されていたりするそうだ。
警察により保護された少女達はヴァインベルグ家で一旦預かり、その後各国の信頼が置ける半獣保護活動家の屋敷に里親になってもらう形で招かれていったのだが、カレンだけ引き取り手があらわれなかったというわけだ。
まぁ理由は先程のジノを見れば分からなくもない。
「フン、あれだけ凶暴なら売れ残るわけだ。イカズゴケというやつだな」
ルルーシュはケーキを黙々と食べながら、少し離れた場所のカレンをジロリと睨んだ。
ナナリーはそんな悪態をつくルルーシュの口元についた生クリームをハンカチで拭いてやりながらニコリと微笑んだ。
「でもジノさんとお話ししている時のカレンさん、とても楽しそうでしたわv」
「とてもそんな風にはみえないけどな〜」
そういってリヴァルが笑うと、ジノも云々と頷いた。
「きっとジノだから本当の自分をさらけ出せるんだよ。それだけ君の事を信頼してるって事なんじゃないかな?」
「なるほどォ〜愛情の裏返しって奴ねェ♪」
スザクの言葉にミレイが楽しそうに目を細めた。
すると何を思ったかジノは突然スザクの手をギュッと握り締め熱い視線でその翡翠を見つめた。
「スザク・・・お前だって、もっと私に自分をさらけ出してくれたっていいんだぞッ!」
「え、何のこと?」
キョトンとした顔でいつものようにサラリとかわされてしまったジノはそのままテーブルに突っ伏してシクシク泣き出した。
「ジノ、またフラれた・・・」
アーニャはそう言いながらいつものようにジノの撃沈ぶりをデジカメに収めていた。
そんなやりとりを半ば呆れたように見ていたルルーシュだったが、ふと尻尾に違和感を感じて恐る恐る持ち上げてみると、その先にロロがしがみついて愛おしそうにルルーシュの尻尾に頬ずりをしているところだった。
途端にルルーシュの表情が凍りつく。
「なんだかこっちも片想いみたいだなぁ」
「ネズミなのにネコが好きなんて、命知らずな子ねぇ〜」
「愛は種族も国境も超える・・・ってか?」
リヴァルとミレイは不憫そうに話している。
ルルーシュはヒョイっとロロをつまみあげるとテーブルの上に乗せ、ケーキ用のフォークでつついて遊び始めた。
ロロは嫌がるどころか、恍惚の表情を浮かべてルルーシュのされるがままになっているので、助けるべきなのか悩むところだが・・・。
---猫は獲物で遊ぶ習性がある---。
ふいにそんな言葉が頭をよぎる。
「いい?食べちゃダメだからね?」
スザクは念を押すようにルルーシュに言って聞かせると、「分かった」というようにコックリ頷いた。
本当に分かったのかどうか・・・再びルルーシュはフォークの先でロロを転がして遊び始める。
ふいにミレイが思い出したように口を開いた。
「そういえばジノ、私に頼みたい事があるっていってたけど・・・?」
「そうそう・・・。実はアーニャとカレンを学校に通わせたいんだ。アッシュフォード学園に入学の許可をもらえないだろうか?」
アーニャはルルーシュ達をデジカメに収めていた手を止め、じっとジノを見つめた。
「学園に?でも二人には家庭教師をつけてるって聞いたけど・・・」
そう言われてジノはう〜んと呻りながら話し始めた。
「確かに知識を得るだけならそれでもいいんだが、二人には何ていうか・・・こう、もっと広い世界を見て欲しいんだ。生徒会メンバー以外にも友人を作ったり・・・。私も社会見学とはいえ、アッシュフォード学園に入っていろいろ経験し学んだりして良かったと思っている」
「友達とバカやったりもしたしな〜」
リヴァルがニヤリとすると皆も心当たりがあるのか笑いだす。
「確かに学校でしか学べない事っていうのもあるよね」
スザクが言うとジノは目を輝かせて訴えた。
「そうそれ!私は二人にも学園生活というものを楽しんでもらいたいのだよ」
「人間も半獣も関係なく一緒に学校にいけたら素敵ですよねv」
皆の意見にしばらく考えこんでいたミレイは「よし!」と両手を打ち鳴らす。
「分かったわ!それなら我がアッシュフォード学園が半獣を受け入れる学校の先駆けとなって動きましょう!これは世間にも半獣の市民権についてもっと考えてもらう良い機会にもなるわ!私に任せてちょうだい♪」
ミレイの言葉に皆が拍手をし、珍しくアーニャも嬉しそうに微笑む。
その様子に、花を摘んでいたシャーリー達が戻ってきた。
3人はそれぞれ綺麗な色の花で冠や首飾りをして、手にいっぱいの花々を抱えていた。
「何なに?どうかしたのぉ〜?」
ミレイが事の成り行きを説明するとカレンは驚いた顔をし、ニーナは少し心配そうな顔をした。
けれどシャーリーは嬉しそうに「ヤッター♪」と万歳すると、はずみで持っていた花たちを宙に放ってしまい、それが色とりどりな花びらのシャワーとなって皆の頭上に降り注いだ。
しばらくポカンとお互いに頭にのっかった花をみていたが、ひとりが笑い出すとそれから皆が一斉に笑いだした。
きっと今まで以上に楽しい学園生活になるに違いない。
そんな予感のするひと時だった。
ヒラヒラと舞い落ちる花びらを手にとったルルーシュは、嬉しそうにみんなと話しているスザクを静かに見つめていた。
スザクが学校に行っている間、ルルーシュはいつもひとりで留守番をしている。
別にそれを寂しいと思ったことはなかった。
どんなに学校やバイトで遅くなっても、スザクはちゃんと帰ってくるから。
けれどふと、自分がスザクと肩を並べて勉強している風景を思い描いてみた。
一緒に勉強して、一緒にお昼を食べて、そして一緒に手をつないで帰って・・・。
「学校・・・か。」
そう呟いたルルーシュは手の内の花びらをグッと握り締めた。
そしてその紫の奥は、何かの決意を秘めたようにキラキラと輝きはじめるのだった。


----数週間後、ミレイの宣言どおりアッシュフォード学園は幾つかの規制はあるものの、半獣の受け入れが可能になった。カレンやアーニャをはじめ、全国からも半獣の生徒達が徐々に通うようになり、学園は以前にもまして賑やかになっていった。
そしてその中には、飛び級をした小さなルルーシュの姿も------。


つづく。

*******************
ようやく「どこでもいっしょ」の続きがupできました(汗)
それにしてもリアルな世界での春は、いったいどこに行ってしまったんでしょう。
日替わりで冬と夏が交互にきたりで体が悲鳴をあげてます。
恐るべし温暖化★

今回スザルルというよりはジノスザ、ロロルルでしたね。
私は基本【スザルル愛】なんですが、別カプもドンと来いだったりします(^^)
ともあれ生徒会の和気藹々とした楽しげな雰囲気が伝わればいいかなぁと。
そしてせめて2次元だけでも穏やかな【春】を感じていただければ幸いですvvv
ルルーシュ以外の半獣もいろいろ出してみたんですが如何だったでしょうか?
ちなみにカレンのウサギネタは狙って出しました(笑)
ロイドさんの大学教授ネタも前から出したかったので今回登場できて良かったです♪
補足ですが、ミレイさんは本編同様に留年してます。
ただし、学業の傍ら学園理事長後見人として半分社会人もしているという設定なので、アニメ以上にミレイさんは今後ともやりたい放題になるのでしょうね(^^;)

次回はもうちょっとスザルルらしく仕上げたいかなぁと思っていますvvv


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